【銅線製造】巻取機の軸ぶれ調査事例 – クラッチが暴れる原因を分解調査で特定

ご依頼の背景

「巻取機のクラッチが大きくぶれており、このまま使い続けてよいのか不安がある」というご相談をいただき、巻取機の軸ぶれ調査を実施しました。

装置は現時点では稼働可能な状態でしたが、回転時の違和感が大きく、壊れる前に原因を明確にしたいという判断から、早めの調査をご依頼いただきました。

対象設備について

  • 設備名称:巻取機
  • メーカー:伊藤機械製作所
  • 用途:銅線を巻き取るための装置
  • 稼働状況:動作はするが、回転軸のぶれが大きい

不具合の状況

  • 機械は動作するが、回転軸がぶれている
  • クラッチが暴れるような動きを見せる
  • 作業は可能だが、精神的にも安全面でも不安が残る状態
  • 発生時期は不明(徐々に悪化した可能性)

分解調査の内容

巻取機を段階的に分解し、以下の点を重点的に確認しました。

  • クラッチ部の摩耗状態
  • 反対側(スプロケット・ブレーキ側)の状態
  • 回転軸およびベアリング部の摩耗
  • 軸方向(縦方向)のガタの有無

分解にあたっては、元に戻せるよう軸の出幅を事前に測定しながら慎重に作業を進めています。

調査結果

調査の結果、以下の事実が判明しました。

  • クラッチ自体には、ぶれの直接原因となるような大きな摩耗はなし
  • 反対側のベアリング部にも、目立った摩耗はほぼ無し
  • しかし、クラッチ側のベアリング部で軸が激しく動いている状態を確認
  • 軸には返り(段差)が発生しており、容易に引き抜けない状態

さらに調査を進めたところ、機械下部からサイズの合わないスナップリングが発見されました。

ぶれるクラッチ
反対側のスプロケットとブレーキ
ばらせるのはこちら側
軸が出ます
最後のプレートが外れました
戻せるよう反対側の軸の出幅を測定
軸のダメージが大きくキーは手で抜けます
クラッチが外れました、ぶれにつながるような摩耗は無し
反対側のベアリングケースを外しますが、軸の摩耗はほぼ無し
軸は激しく動くのでベアリング部で軸が摩耗しているのが原因
返りが出来ていてシャフトが抜けません
このまま慎重に測定して図面を作成

原因の考察

今回の軸ぶれは、クラッチ側の軸用スナップリングのサイズ不適合・脱落が原因と判断しました。

  • 本来、軸位置を保持するスナップリングが脱落
  • 軸が少しずつ縦方向に移動(軸ぶれ)
  • 繰り返しの運転により、ベアリング部で軸が摩耗
  • 結果として、クラッチの回転が不安定になった

という流れで不具合が進行したものと考えられます。

今後の対応方針

現在、調査結果をもとに

  • 摩耗した軸の状態確認
  • 必要に応じた部品交換または部品製作
  • 再発防止を考慮した修理方法

について、修理見積を作成中です。

単なる部品交換にとどまらず、
なぜこのトラブルが起きたのか
同じ不具合を繰り返さないためにどうするか
を重視した提案を行います。

まとめ

軸ぶれは、最初は「少し違和感がある」程度でも、放置すると軸やベアリングを大きく傷めてしまいます。

今回のように早い段階で調査を行うことが、結果的に修理コストを抑えることにつながります。

「まだ動くけれど不安がある」
そんな段階こそ、ぜひ一度ご相談ください。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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