【食品加工】真空ポンプの分解調査と修理
依頼の経緯
食品加工業をされているお客様より、真空ポンプがほとんど動かなくなってしまったため、分解調査の依頼をいただきました。
このポンプは食品加工の工程で重要な役割を担っており、動作不良の原因を特定し、修理を行う必要がありました。
機械について
- 名称:真空ポンプ
- メーカー:ニクニ
- 型式:SKH462T
- 用途:気体の吸引および圧送
故障の状況と原因
調査を行った結果、以下の状況と原因が判明しました。
- 現状
ポンプはほとんど動作せず、異音が発生している。 - 原因
内部のインペラーが熱膨張し、カバー壁面に接触していることが判明。
使用可能温度を超えて使用したことで、インペラーとカバー間に摩擦が発生し、動作不良につながっていました。
修理の方針
故障原因を特定した結果、以下の修理方針を立てました。
- 分解調査:ポンプ内部を分解し、接触部の状況を確認。
- 接触部の修正:インペラーおよびカバー壁面のバリを除去。
- スペーサーの設置:カバーと本体の間にスペーサーを挿入し、適切な隙間を確保。
- 組み立てと調整:液体パッキンを塗布し、すべてのパーツを組み立て。
修理の過程と結果
分解作業
- カバーを開けたところ、インペラーに摩擦痕が確認され、カバー壁面にはバリが溶着していました。
- シャフトは手で回すことができず、工具を使うと内部でかじっている感触がありました。
修理作業
- インペラーとカバーの修正:摩擦によるバリをすべて除去。
- スペーサーの設置:カバーと本体の間に計8個のスペーサーを挿入し、適切な隙間を確保。
- 液体パッキンの塗布:指定箇所に液体パッキンを塗布し、密閉性を向上。
修理後の状態
- 修理完了後、シャフトが手でスムーズに回ることを確認。
- ポンプは正常に動作を再開し、異音も解消されました。
関連写真

処置画像
インペラーとカバー壁面のバリを除去したのち仮組、カバーと本体の合わせ部にスペーサー(計8個)を入れ締め付け。
シャフトが手で回る事を確認。

完成後画像
再びカバーを外し、指定された箇所に液体パッキンを塗布。
すべてのパーツを取り付けて完了です。
修理結果とお客様の声
お客様からは「ポンプがスムーズに動作し、作業効率が向上しました」とのご感想をいただきました。
高温での使用による問題を解決し、今後の安定稼働に貢献できました。
