ブレーキキャリパー交換 スリッターライン
トタンなどを取り扱う金属屋根メーカー様から、屋根材のロールを裁断機などに送り出すスリッターラインという機械のブレーキがかからないとご連絡がありました。
10〜20年ほど使用されている年代物で、メーカー対応不可だったようです。
弊社とはここ数年のお付き合いで、半年前にも別のブレーキトラブルを対応させていただきました。
今回問題のあったブレーキキャリパーは、大きさこそ違いますが、構造は乗用車に使用されているものと全く同じです。
ブレーキキャリパーとは、ディスクブレーキを構成するパーツの一つです。
ここで、ディスクブレーキの仕組みを見ていきましょう。
ディスクブレーキは、車輪と同調して回転するディスクローター、その回転を止めるためのブレーキパッド、油圧でディスクローターにブレーキパッドを押しつけるブレーキキャリパーで構成されています。
今回の機械でいうと、こちらの部分です。
車の場合、運転手がブレーキペダルを踏むと、その踏力がブレーキブースターに伝わり、そこで増幅された力によってマスターシリンダーから油圧が発生します。
そのオイルをブレーキフルードと呼びます。
油圧はブレーキキャリパーのピストンを動かし、ブレーキパッドがディスクローターを両側から押さえつけます。その摩擦でブレーキがかかるのです。
今回は、そんなブレーキの本体ともいえる重要なパーツ、ブレーキキャリパーのピストン部から、ブレーキフルードが漏れていました。
ブレーキフルードは、性質上水分を吸収しやすいため、空気中の水分と混じり、内部でサビが発生しピストンシールを侵してしまったようです。
本来、車検と同じように2年に一回はブレーキフルードの交換が必要ですが、こちらの機械は日頃メンテナンスをしておらず、劣化したまま使われていたため今回の故障に繋がってしまいました。
ブレーキキャリパーとブレーキパッドを新しく発注し、到着後約3時間でブレーキフルードと合わせ、すべて交換完了です。
ブレーキが本来の性能を取り戻し、お客さまにも安心して使っていただけるようになりました。
最後に、担当者から一言!
ブレーキフルードの交換作業だけであれば約1時間で済むところ、それを怠ってしまったことにより、部品取り寄せまでの約1ヶ月もの間、影響が生じてしまいました。
その間なんと惰性で止まるのを待って使用されていたそうです。
車で考えたらこわいですね……。
設備トラブルにより工場のラインが停止すると、その間の機会損失など、より深刻な事態を招くことになります。
それを避けるためにも日頃のメンテナンスがとても大切ですが、社内で対応が難しい場合は、ぜひ弊社にご相談ください。
また、今回円滑に作業を進めることができたのは、担当者が元整備士で、車と共通する部分が多くあったこともあります。
異業種エンジニア集団である茂呂製作所だからこそ、産業用設備から食品加工用設備まで、「機械」と名のつくもの全てのトラブルに「どこよりも早く」対応します。