製麺用 散粉機 食品加工機修理

山梨名物ほうとうやラーメンなどを製造されている製麺所からのご依頼です。

今回修理したのは、製造ラインででき上がった麺同士がくっつかないよう、粉を散布する機械です。
散粉機のメーカーは愛知県と遠いため、5~6年前から別件でお付き合いのある茂呂製作所にお声がけいただきました。

すぐにお客さまの元へお伺いし、機械をお預かりします。

状況確認

修理前の写真です。
修理前、分解して内部が見えるようになった状態の写真です。内部に粉が溜まっているのが確認できます。

お客さまによると、モーターの速度調整ができず、全速回転してしまうとのことでした。

まずは、導通の確認です。
本体を分解したところ、ケーブルの断線が見つかりました。

断線しているケーブルの写真です。

断線は、機械的な過負荷やケーブルの引張りなどが原因となり、導通不良を生じます。

今回断線していた配線は、スピードコントローラからモーターへブレーキ信号を送るための配線だったため、断線したことによりブレーキ信号が伝わらず、モーターが全速回転したのではないかということが疑われます。
試しにケーブルを簡易的に繋いでみました。
しかし、症状は改善しません。
そのため、モーターの速度を制御しているスピードコントローラ自体が故障していると判断しました。

故障したスピードコントローラの写真です。

スピードコントローラとは、モーターからのフィードバック(速度情報)を確認しながら、モーターに印加する電圧を制御し、回転数を調整するものです。

作業工程

すぐに新品のスピードコントローラを発注し、交換。

スピードコントローラを交換したところの写真です。

断線していたケーブルもはんだ付けで修理しました。

ケーブルの断線部分の修理前・修理後を並べた写真です。

また、ケーブルをケーブルクランプできれいに固定し直し、触れてはいけない部分に干渉しないよう改善しておきました。

断線防止改善作業前・作業後の写真です。作業後は、断線しにくいように、ケーブルをケーブルクランプで固定してあることが分かります。

お客さまからご依頼をいただいてから3日間で納品完了です。
ご依頼当日に原因を特定したことで、部品発注も修理も最速で行うことができ、「生産をあまりストップさせずに済んで、大変助かりました」とお客さまにも喜んでいただけました。

日頃のメンテナンスについて

これまで日頃のメンテナンスは機械に付着した粉末をまれに掃除する程度とのことでした。
できれば半年に一回、エアブロー等で綺麗にしていただくとトラブルも減ります。
今回の不具合も、スピードコントローラの隙間から粉が入り、導通不良で壊れた可能性があります。
また、スイッチなどの接触面に粉が付着して動通不良やモーターのカーボンブラシに付着して動通不良を引き起こす場合が考えられます。

担当者から一言

機械の故障時に単発でお仕事をいただくことの多い修理業ですが、一度直して終わりではありません。
もちろん修理の技術力がお客さまにご満足いただけるレベルであることは大前提です。
技術力に加えて、その後も定期的にお客さまとコンタクトをとり、納めた機械の状況を「時にはお客さま以上に気にかけている」ことが、今回のご依頼に繋がったのだと思います。

今後もこのような意識を忘れることなく、お客さまに寄り添ったお付き合いができるように心がけてまいります。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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