【モーター交換作業】木材搬送機コンベアの修理

今回は茂呂製作所が得意とする設計・加工・修理などのトータルパフォーマンスを発揮した案件をご紹介いたします。
今回のご依頼は、木材をかんな掛けする機械へ自動で送り出すためのコンベアがあり、それを駆動させるモーターに関するご相談です。
木材は板状で、一度に20枚重なった状態でコンベアの手前まで搬送され、ここからだるま落しの要領で一枚ずつコンベアに流れていきますが、現状のモーターではスピード・トルク不足が見られ、度々つまりが発生してしまいます。
また、材料の大きさや木材の表面の粗さの違いにより、滑らずに引っ掛かり搬送が停止してしまうこともあります。
このような問題点から、お客様からのご要望は「回転速度とトルク両方共に現在の3割増し程度の能力up」を希望されています。
ただし、設置スペース・駆動チェーンのスペースに制限があり、モーターの位置変更などはできない現状の位置での設置が条件になります。

機器の現状① 機器の現状②

モーターの検討

今回の条件としてスピード・トルクの両方を能力upさせるために単にモーターを交換するのではなく、仕様を変更する事を提案しました。
提案理由として下記が挙げられます。
① 1サイズ出力が大きいタイプのモーターに変更する → トルクup
現状のモーターは200v・60wのモーターを使用しており、出力トルクは9.1nmですが、回転速度を下げずにこれ以上の出力トルク得るためには90wのモーターに置き換える必要がある。
こうすることで、15.7nmにアップする。

② ブラシレスタイプのモーターに変更する → 回転速度up
現状のモーターはブラシタイプのモーターで最高回転速度が56rpmで、最高速度を上げるにはギヤの比率を下げればよいが、反面トルクが下がってしまう。
ブラシレスタイプにすることで、トルクを下げずに3倍の最高速度の制御ができる。

この2点から1サイズ大きいブラシレスモーターに決定しました。

社内での設計

モーターを変更し設置するにあたり、冒頭でも記載したとおり設置場所を変更する事ができません。
しかし既存のモーターと新しいモーターでは形状が違うため、そのままでは設置できないということで、社内でモーターを設置するためのベースプレートを設計・製作しました。
またモーターのサイズupに伴いモーター軸が太くなるのですが、現行のスプロケットを使用したいので、スプロケット用のアダプタも設計・製作しました。

社内で設計① 社内で設計②

作業開始

まずは現状のモーターと回転を制御するスピードコントローラーを撤去します。

現状のスピードコントローラー

現状のスピードコントローラー

今回のモーター変更に伴い、スピードコントローラーが大きくなるために、搬送機のフレームへの取り付け用の穴加工、モーターを設置するためのベースプレートを取り付けるための穴加工を実施。
現状の位置を変えないまま新しいコントローラーとモーターを設置しました。
新しいコントローラーとモーター① 新しいコントローラーとモーター②

今までのコントローラーとは制御ボックスの大きさが違うので、取り付ける際に注意しながら設置します。

社内設計、製作のベースプレートのおかげでモーターも既存の位置に設置できましたが、機械に対して若干のはみ出し部分が大きいという点が今後の課題となります。
モーターを設置① モーターを設置②
駆動チェーンも劣化していたため新しいものに交換し、長さを調整します。
チェーンも交換
全てを取り付け後動作確認と調整を行い交換が終了!
今回の作業では現地での作業をできるだけ短縮できるよう考慮して、社内での設計・製作を先に進める事で現地作業時間は3.5時間。半日で終了することができました。
茂呂製作所では設計・社内製造・現地工事と1社で全てを行えることが魅力の1つです。
お困りの際は是非ご相談ください。

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