【コンベアの緊急修理】ローラーコンベア
時には会社に直接来社され、当日中や明日までに仕上げて欲しい、といったご依頼もございます。
今回はそんな一例をご紹介いたします。
依頼内容
内容を聞く限りでは修理可能とお客様にお伝えしたところ、お客様自身が現物を持って来社されるとのことでした。
① ローラーの新規製作
② 摩耗したシャフト部分の修正加工
③ シャフト部分の除去及び溶接による修理
④ 溶射による修正加工
このようなことを想定して現物が届くのを待ちます。
溶射とは、溶射材と呼ばれる材料を加熱し、溶融またはそれに近い状態にした粒子を物体表面に吹きつけて、皮膜を形成する表面処理のこと。
現物到着
実際のローラーコンベアをみてみると……
この状態に至る経緯は、シャフト部分と軸受の間に少しずつ隙間が生まれ、お互いに擦れていくうちに摩耗したものと考えられます。
(※本記事の中では、便宜上、端から端まで一本で貫通しているものを「シャフト」、そうでないものを「軸」と表現します)
このことから、最短・最適の加工方法として導きだされるのは、上記候補のうち③番の加工方法になります。
お客様の希望納期は明日、タイムリミットは一日です。
短時間の中での作業ですので、早速取り掛かります。
加工1
軸部分が短くである程度フラットな状態であれば、ドリルで穴をあけて除去してしまう方法が選択肢に挙がります。
ですが、今回は細く残っている軸部分があるのでノコ盤で切断する方法をとりました。
このように、状況に応じて最適な加工方法を都度チョイスしていきます。
ノコ盤(鋸盤)とは、動力で鋸を回転あるいは前後させて金属などを切断する工作機械のこと。
加工2
インローとは、部品同士の中心と中心を合わせる為に凹凸に加工し、はめ合わせができる状態を作ること。
語源は印籠(いんろう)水戸黄門でもおなじみの印籠。
写真には写っていませんが、コンベア側が凹になります。
加工3
ここから溶接、加工へと進んでいきます。
溶接終了後、再度旋盤に乗せられたのが午後7時頃、ここからラストスパートで加工していきます。
何とか今日中に加工を終了し明日の朝にはお客様の手元へ出荷できる運びとなりました。
通常であれば、材料発注から溶接なども含めると3日間程度作業時間をいただきたい案件ではありましたが、お客様が抱える緊急度というのがありますので、極力ご要望に応じられるようにしています。
スピーディーな対応でお客様にも喜んでいただきました。
このように、緊急で修理が必要な際には最大限の対応をさせていただきますので、お困りの際はご遠慮なくご一報ください。