【基盤製造業】モーターローターの溶接肉盛り修正事例 – 摩耗したキー溝を再生し、設備を延命
ご依頼の背景
基板製造業のお客様より、モーター内部部品であるローター(回転子)の修理についてご相談をいただきました。
使用中のモーターにおいて、軸部のキー溝が摩耗し、スプロケットやプーリーなどの駆動部品を確実に固定できない状態になっていました。
新品モーターへの交換も検討されましたが、「納期」「コスト」の両面を考慮した結果、今回は修理による再生を選択されました。
対象部品について
- 部品名:ローター(回転子)
- 用途:モーター内部で回転し、動力を外部へ伝達する主要部品
ローターはモーターの心臓部ともいえる存在で、回転軸の精度やキー溝の状態が、機械全体の安定稼働に大きく影響します。
故障の状況
- 症状
- 軸部のキー溝が摩耗し、幅が広がっている
- 駆動部品を取り付けてもガタが発生し、固定できない
- 影響
- 動力伝達が不安定
- 部品の空転や二次破損の恐れ
故障原因
主な原因は、
- 長年の使用による経年摩耗
- 取付部品側の劣化により、負荷が偏った状態で回転を続けていたこと
と推定されます。
キー溝部は特に応力が集中しやすく、摩耗が進行すると今回のような症状が発生します。
修理方針
今回は、摩耗した軸部を溶接肉盛りによって再生し、その後、機械加工で元の寸法・形状に復元する方法を採用しました。
修理の流れ
- 溶接肉盛り
摩耗してしまったキー溝周辺を溶接で肉盛りし、材料を追加 - 旋盤加工
肉盛り後、旋盤にて軸径を元の寸法まで切削・調整 - ネジ部加工
先端のネジ部を再加工し、取付条件を復元 - キー溝加工
フライス加工により、新たに正確なキー溝を加工
修理後の状態
- 軸径・キー溝ともに設計寸法へ復元
- 駆動部品が確実に固定できる状態に回復
- モーターとして再使用可能な状態を確保
新品交換を行わず、修理によって十分な機能回復を実現しました。
まとめ
モーターや回転機器の部品は、「摩耗=交換」と判断されがちですが、状態によっては 修理・再生という選択肢 が有効なケースも多くあります。
部品摩耗や軸のガタつきなどでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
