タンクバルブ液漏れ修理事例:摺り合わせ加工による密閉力の復旧

依頼の経緯

東京都江東区の企業様より、「タンクバルブから液漏れが発生している」とのお問い合わせをいただきました。

現場では予備品があるため緊急性は高くないものの、バルブ本体の修理による再利用をご希望とのことで、摺り合わせによる精密修理を実施いたしました。

機器について

  • 名称:タンクバルブ
  • メーカー:平和バルブ工業
  • 型式:10K-50X80
  • 用途:タンクの栓として液体の流出を制御

故障の状況と原因

  • 症状:バルブを閉じても完全に密閉できず、液漏れが発生。
  • 原因
    • バルブの栓部分と本体内部の当たり面が経年劣化により摩耗。
    • 摩耗により隙間が生じ、密閉力が大幅に低下していた。
    • キャップ部には深い傷、本体側には角が無くなったような状態が確認された。

修理の方針と実施内容

今回の修理では、新品交換ではなく「切削加工による当たり面の修正=摺り合わせ」によって密閉力を取り戻すことを目指しました。

分解・点検

  • キャップとバルブ本体を分解し、摩耗・損傷部を確認。

加工

  • キャップ部品:旋盤にて切削し表面を整形。
  • 本体側:マシニングセンタにて切削加工を実施。

当たり面の確認

  • キャップ部に光明丹(こうみょうたん)を塗布し、摺り合わせの精度を確認。
  • 均一に接触していることを確認後、仕上げ。

リークテスト

  • バルブに水を溜め、漏れがないか確認。
  • 水漏れが完全に止まり、修理完了。

分解前画像

栓部分のキャップと本体それぞれ経年劣化により摩耗し、密閉力が低下している。

作業中画像

画像下側のキャップ部品に深い傷がはいっています。
画像上側の本体部分は角が無くなり表面も荒れています。
これによりバルブを全閉しても隙間が埋まらずに液漏れを起こしています。

キャップ部品は旋盤、本体側はマシニングで切削加工し表面を整えました。

キャップ部品に光明丹(こうみょうたん)を塗布し当たり面の確認を行いました。

バルブ本体に水を溜めてリークチェックを行いました。水が漏れない事を確認し、作業完了です。

修理後の状態

  • 当たり面が滑らかに密着するようになり、液漏れは完全に解消。
  • 摩耗部品の切削加工のみで、機能を新品同様に復元。

まとめ

今回のように、「部品の交換ではなく修理で再生したい」「現行業者以外の選択肢を探している」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ茂呂製作所にご相談ください。

摺り合わせや精密加工を通じて、設備を延命しコストを抑えた対応が可能です。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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