【酒類製造】ワーケシャポンプのオーバーホール

依頼の経緯

酒類製造業者様より、ワーケシャポンプ(ロータリーポンプ)のオーバーホール(OH)修理依頼を受けました。

ポンプが固着して動作しなくなり、予備品での対応も限界が来ていたため、緊急性の高い修理が必要とされました。

機械について

名称ワーケシャポンプ(ロータリーポンプ)
メーカーIWAKI
型式不明
製造番号4174441
用途酒類製造工程における流体搬送

故障の状況と原因

調査を行った結果、以下の状況と原因が判明しました。

  • 現状
    ポンプは固着し、モーターのトルクが負けて動作できない状態です。
  • 不具合内容
    前回のオーバーホールが杜撰であったため、機械の内部で軸が前後に動き、メカニカルシールが抑えきれず、酒類製造の半製品が漏出していました。
  • 発生時期
    不明
  • 故障原因
    メカニカルシールから漏出した半製品がライン終了後に温度が下がり、固着。
    さらに、回転軸とギアの固定ナットの精度が悪く、無理やり取り付けられていたため、固定不良が原因で軸が動き、故障が拡大しました。

修理の方針

故障原因が特定されたため、次のような修理方針を立てました。

  1. 温湯での半製品清掃
    温湯を使用して、漏出した半製品の残留物を丁寧に清掃します。
  2. 全体のオーバーホール
    ポンプ内部の分解点検を行い、すべてのパーツを確認して再組立てします。特に、精度の悪いナットやスプリング、Oリングなどの交換を行います。

修理の過程と結果

メカニカルシール部に半製品が漏れ出し、軸が固着して動かなくなっていました。前回のオーバーホール時に使用された部品(Oリングやスプリングなど)の材質や数が規定外であることも確認されました。

また、ベアリングカバーには打痕や精度不良のナットが使用されていたため、精密な機械としての機能が失われていました。

修理は以下の手順で進めました。

  1. 温湯による清掃
    漏出した半製品を温湯で洗い流し、機械内部の固着を解消しました。
  2. パーツの点検と交換
    メカニカルシール部やOリング、スプリング、ベアリングなど、規定外の部品をすべて適正なものに交換しました。
  3. ギアの再取り付け
    固定不良でギアが軸にしっかり噛み込んでいない状態を修正し、再度しっかりと取り付けました。

修理後、ワーケシャポンプは正常に動作するようになりました。
新たに取り付けた部品によって、流体搬送の効率も回復し、予備品に頼らずに稼働できる状態が整いました。

漏出した酒類製造の半製品
メカニカルシール部
OOリングの材質が違う?スプリングの数が規定外?
ベアリングカバーに打痕キズ
MADE IN CHINAと刻印のあるナット
ピッチ違いではなく精度不良
取り外しで切子発生
固定不良でギアの面があっていない
ネジ山の破壊
組やすりで修正、中古ナットを使用し復旧させた
キーもないのに、ギアが軸に噛みこんで外れない
ゆるみ止め菊座金が動く!?もちろんナットは動かない
丁寧なOHとは思えない状態

修理結果とお客様の声

お客様からは「ポンプが正常に動作するようになり、製造ラインが安定しました」とのご感想をいただきました。

前回の杜撰なオーバーホールによる問題を解決し、機械の信頼性を向上させることができました。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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