茂呂製作所と荻野製作所の若⼿社員が語り合う!座談会シリーズ第3回

座談会シリーズ第3弾では、茂呂製作所の若手社員4人が、株式会社荻野製作所(群馬県高崎市)の若手社員4人と語り合いました。

茂呂製作所から登場してくれたのは、サービス部の秋山さん、宮下さん、総務営業部の五味さん、そして部品製造部の依田さん。

荻野製作所から参加してくれたのは、製造部の吉田さん、村田さん、神木さん、そして業務部の橋本さんです。

両社ともに製造業ながら、企業の風土も異なれば、それぞれが担う業務も異なります。一方で、共通する悩みや迷いも聞かれました。

それぞれの若手社員は、日々どのようなことを考え、感じながら働いているのでしょう。ざっくばらんに語ってもらいました。

若手社員の休日の過ごし方

インドア派?アウトドア派?

―まず、茂呂製作所の皆さんから順に自己紹介をお願いします。

秋山:サービス部で主に機械メンテナンスを担当しています、秋山です。
35歳なので「若手」と言って良いのか分かりませんが(笑)。

プライベートでは、休日に2歳の息子と一緒に遊ぶことが一番の楽しみです。

宮下:同じくサービス部に所属しております、宮下です。新卒で当社に入社して、1年目です。

まだまだ覚えることが多く、がんばっているところです。休日は、同棲している彼女とよく遊びに出かけています。

五味:総務営業部で経理を担当しています、五味と申します。高校で簿記を勉強していたので、その知識を活かしたくて高卒で当社に入社しました。今年の4月で入社3年目を迎えます。

休日は、映画を観てすごしています。最近トム・クルーズにハマっていて、若かったころの作品から順に観ています。

依田:部品製造部に所属しています、依田です。中途で入社して、約1年半が経ちました。ちなみに、前職はまったく畑違いで、美容師として働いていました。

入社から2022年末までは、総務営業部の所属でした。現部署に移ってからも、仕事内容に大きな変化はありません。ただ、以前より積極的に加工課とコミュニケーションをとるようになりました。

休日はだいたい家にいます。根っからの引きこもり体質で(笑)。家の中でゲームをしたり、漫画を読んだりしてすごしています。たまに誰かが連れ出してくれたら、外に遊びに行くという感じです。

―続いて荻野製作所の皆さん、自己紹介をお願いします。

吉田:製造部の吉田です。主にNC旋盤の段取りや連続加工を担当しています。専門を卒業後、新卒で入社して3年目になります。

休日は、アニメか映画を観ていることが多いです。たまに、遠方の友人のところに遊びに行くこともあります。

村田:同じく、製造部の村田です。高校卒業後に入社して2年目です。

機械を動かしたり連続加工をしたり、セット替えをしたりしています。

休日は、いまのシーズンは毎週のようにスノボに出かけています。

橋本:業務部所属の橋本です。大学卒業後に入社して、まだ1年目です。製品の出荷・梱包などを担当しています。2名のパートさんたちに仕事を割り振る業務も行っています。

手芸が好きで、休日は家で編み物などをしています。服を作れるほどではありませんが、帽子くらいなら作れますよ。

神木:製造部の神木です。入社1年目です。最近は、新製品の生産ラインの立ち上げに携わっています。入社を機に、埼玉県から群馬県に引っ越してきました。

休日は、美味しい店を探してよく食べに出かけています。ここ最近で印象に残っている店は、同期と行った「豚さんち」というラーメン屋です。二郎系のこってりしたラーメンで美味しかったのですが、胃もたれもすごかったです(笑)。

自社の良さは

「いろいろな経験ができる」「働く環境」「人が良い」

秋山:茂呂製作所のサービス部にいて感じる良さは、いろいろな機械のメンテナンスを経験できることです。見たことのない機械を修理したり、扱ったことのない機械に触れたりすることが多いので、知識がたくわえられ、技術も磨かれます。

社内には、メカ系、電気系それぞれの分野に強い人たちがそろっていて、そのなかで自分を高めていくことができます。

神木:荻野製作所の良さは、働く環境が整っているところです。いまでも良い環境ですが、さらに改善点を見つけてより働きやすい環境づくりを進めています。

例えば、当社では外国人技能実習生が一緒に働いているのですが、彼らも分かるような資料づくりなどをして、皆が働きやすいよう工夫しています。

現在は、インドネシアから10人ほどの技能実習生が来ています。

秋山:当社にも技能実習生が7~8人来ていますね。ミャンマー人、ベトナム人、あとタイ人もいます。

―両社とも、多様性のある職場環境ですね。

依田:そうですね。
「自社の良さ」といえば、設計から加工、組み立てまでを一気通貫で対応できることも、茂呂製作所の良さだと思います。

当社には特急の修理依頼も頻繁に飛び込んでくるのですが、自社で部品を作れるからこそ、急ぎの要望にも対応できます。既製品が廃番になって手に入らないこともままあるので、自社で部品を製造できることは、強みのひとつです。

吉田:製造している機械は異なりますが、当社も自社で設計や部品製造をしています。「一気通貫が強み」という点には、私も共感します。

扱っている工程の範囲が広いこともあり、当社の新人研修では、1週間ほどかけて幅広い内容を学びます。

私が入社したときは、基礎的なマイクロ測定や図面の見方など、加工に必要な基本をいろいろと学びました。また、工場で作業する上で注意が必要な危険ポイントも、研修時に教わったと記憶しています。

五味:新入社員のころは右も左も分からない状態ですから、職場に教え上手な先輩がいると本当にありがたいですよね。

私が茂呂製作所に入ったときも、加工のことなど一切分からない私に、皆さんがとても親切に教えてくださったことを覚えています。忙しい手を止めてきちんと答えてくださるだけでなく、理由や過程もあわせて教えてくださいます。

「人が良い」というのは、当社に入社して2年ちょっとの間、一貫して感じていることです。

村田:私も入社して2年近くになりますが、皆さん優しくて、仕事も一つひとつていねいに教えてくれるという印象があります。セット替えなども、マンツーマンで分かりやすく教えてもらいました。1対1なので質問もしやすく、定着もしやすかったです。

神木:教え上手といえば、吉田さんも教え上手ですね!私を含めここにいる3人全員が、実は吉田さんから教わった経験があります。

吉田:相手の表情を見て「分かってるのかな?」と確認しながら教えるように、意識はしています。「うんうん」とうなずいているときもあれば、「ポカン」とした表情になっているときもあるので(笑)。

神木:一旦説明してくれた後も、困っていることがないか定期的に様子を見にきてくれたり、確認しにきてくれたりしていました。私は加工の知識がないところからのスタートだったので、見守ってもらえるだけでかなり心強かったです。

会社で得た「一番の学び」とは?

研修制度だけじゃない、成長のステージ

―面倒見の良い、優しい先輩ですね。では、次の質問です。入社してから一番の学びは何でしたか?

五味:「自分一人でどうにかできることは少ない」と気付いたことが、一番の学びでした。

私は、実際に働いてみるまで、「働くことは自分の責任がすごく大きくなること」だと思っていました。でも実際は逆で、仕事において自分一人きりで責任を負いきれることは少ない。

だからこそ、お互いに困ったときにサポートし合えるよう、人とのつながりをきちんと持っておくべきだと知りました。

依田:私にとっての一番の学びは、「積極性」でしたね。

とくに茂呂製作所は、実践で仕事を覚えていくスタイルの会社です。分からないことを聞けずにそのままにしていると、仕事ができなくなってしまいます。「積極的に聞く姿勢が大事」と痛感しました。

また、聞く前に一度自分の頭で考えることの大事さも、同時に学びましたね。

吉田:私が荻野製作所に入社して学んだことは、やはり加工に関することです。

NC旋盤で加工していると、削り方を少し変えるだけで爪の出方が変わります。工具選定でも、材質が異なれば工具の癖も異なってきます。このような違いが面白いですし、大きな学びだと感じています。

―製造現場ならではの学びですね。先ほど研修の話も出ましたが、会社の教育システムのなかで魅力的だと感じた仕組みや制度はありますか?

宮下:茂呂製作所に入社して1カ月くらいの間、毎日社内のいろいろな部署の人にくっついて、その人がどんな仕事をしているのかを半日から1日かけて教えてもらいました。

この経験は、その後本格的に仕事が始まり「これは誰に頼めばスムーズに進むだろう?」と判断を迫られる場面で、とても役に立ちました。

橋本:分かります。私は2022年4月に荻野製作所に入社して、3カ月の研修期間のうち2カ月くらいは現場補助として加工の現場で研修を受けていました。研修で学んだことは、業務部で働くいまも活かされています。

加工現場を見ていたおかげで、全体のつながりが分かるようになりましたし、考え方のプロセスに共通する部分もあります。2カ月の研修が、意外と役に立つものだと思いました。

神木:研修の話からはそれますが、「資料が充実している」という点は、荻野製作所の教育システムの強みだと思います。

作業の方向性を示した資料がそろっていると、新たに作業に加わる人に教える際にはもちろんのこと、自分が不明点を確認するときにも重宝します。

秋山:確かに、資料があると良いですね。

茂呂製作所の制度で私が「ありがたい」と感じたのは、資格取得を支援する制度です。例えば、溶接、クレーン、フォークリフトなど、仕事をする上で必要な資格を取得する際、会社がポリテク講習を受講する支援をしてくれます。

このように、自身のスキルアップを会社に後押ししてもらえる制度が魅力です。

吉田:当社で主に必要になってくる資格といえば、玉掛、クレーン、フォークリフトくらいなのですが、御社では皆さんどのくらい資格を持っていらっしゃるのですか?

秋山:人によってさまざまです。玉掛、クレーン、フォークリフトから、溶接、電気工事、機械保全、高所作業のためのハーネス使用の資格、高圧・低圧系の資格まで、バラエティに富んでいます。

私からも1点お聞きしたいことがあります。御社でNC旋盤などの不具合が出たときは、生産技術部のような部署で対応されるのですか?

吉田:基本的には、作業者が点検や修理も行っています。トラブルが起きたら、まず機械マニュアルを見て、アラーム番号から「NC側のトラブルなのか、機械側のトラブルなのか」を見極めます。その上で、トラブルごとに対応しています。

若手社員同士のQ&A

「これって御社ではどうしている?」

―せっかくの機会です。他の皆さんもお互いに聞いてみたいことはありますか?

五味:皆さんはどのようなきっかけで荻野製作所に入社されたのですか?

神木:私は、会社見学がきっかけでした。見学に訪れたときの対応がていねいで、「未経験でもしっかり教えてもらえそう」と安心しました。それに、会社の雰囲気や人の印象が良く、「楽しく働けそう」と感じたことも決め手になりました。

村田:僕は高校の野球部の先輩が何人か入社していて、「いい会社」と勧められて入りました。実際、怖い人などもいないですし、働きやすい会社です。

橋本:私は大学で英語を学んでいたので、就活中の合同説明会で「英語ができる人を探しています」と目にしたことが、入社のきっかけになりました。とくになりたい将来像があったわけではなく、単純に「楽しそう!」と感じて入りました。

私からも、1つ質問したいことがあります。

私は、パートの方々と一緒に仕事をすることが多いのですが、同様の業務をされている依田さんは、パートさんたちと接するときにどんなことを心がけていますか?

依田:当社にはパートさんがいないので、ややずれた答えになってしまうかもしれませんが、私が外国人技能実習生と接するときに心がけていることをお答えします。

仕事をしていてよく感じるのが、意思疎通の難しさです。伝えたときには「伝わった」と思っても、2、3日後に確認すると「伝わっていなかった」ということが、これまでに何度かありました。

伝えるときには、端的に、わかりやすく、相手がきちんと理解できているかを確認しながら伝えるように心がけています。加えて、納期が近づいてきたら「終わっていますか?」と確認することも意識しています。

吉田:私からもう1点、質問させてください。

御社では、NCプログラムを作ることはありますか?当社はリピート品が多いので、入社3年目でも自分でプログラムを作る機会はほとんどないのです。

依田:茂呂製作所は量産よりも1点ものを得意としているので、加工者一人ひとりがプログラムを作っています。それぞれが図面を見て、プログラムを作り、段取りしながら仕事を進めています。

悩みの共通項は「コミュニケーション」、突破口はあるか!?

―仕事をする上で、それぞれ壁にぶつかることもあるかと思います。いま皆さんが悩んでいることは、どのようなことですか?

秋山:お客様とのコミュニケーションに悩んでいます。マニュアルを見て解決するような悩みでもないので、周囲に助言をもらいつつ、自分でも試行錯誤しているといったところです。なにかアドバイスをいただければ嬉しいです。

橋本:ここにいる4人のなかでは、比較的私がお客様と接しているほうだと思います。ただ、それでも2カ月に1回、ごあいさつする程度です。なので、どちらかというと対内的な、パートさんとのコミュニケーションで感じることを2点シェアできればと思います。

1点目は、「人によって伝え方を変えたほうが良い」ということです。

言葉の数や情報量が多いほうが良いのか、少ないほうが良いのか、詳しい内容を知りたいタイプなのか、端的に聞きたいタイプなのかは、人によって異なります。

ただ、その見極めが難しいところですよね。なので、2点目は、「なるべく会話する機会をもつ」ということを意識しています。

秋山:会話できれば良いのですが、メールになってくると、相手の抱いている感情やニュアンスが分かりにくくて……。

―秋山さんのキャラクターなら、メールで人間味を出してみても良いかもしれませんね。例えば「P.S. さっき階段で転んでしまいました」と入れるなど、私はメールでもわりとキャラクターを出しています。良ければ試してみてください。

神木:先ほど五味さんが「自分一人でどうにかできることは少ない」とおっしゃっていましたが、この「自分一人では完結しない」という点が、私にとっては悩ましいところでもあります。

学生のころは、テストなんかでも「最後は自分との闘い」でした。でも会社では、必ず誰かと協力しなければ成り立ちません。そういったとき、自分が「良かれ」と思ってしたことでも、会社全体にとっては「そうでもない」ってこともあります。

このへんの葛藤が、なかなか大変だと感じています。

―会社を経営している私自身も、同様の葛藤があります。それはもう、永遠の課題ですね。

吉田:私がいま仕事で悩んでいることといえば、作業中に危険な動きをする人との接し方です。注意を促しても直らなかったり、すぐに忘れられてしまったりして、困っています。

―思うように動いてくれない相手や、「何を考えてるんだがワケがわからない」と感じる相手と仕事をするのって、大変ですよね。仕事だと、そんな相手ともほぼ毎日顔をあわせて、一緒に働かなければなりませんし。

唯一この問題に解決策があるとしたら、「自分が変わること」です。相手を変えようと思うと、出口はありません。自分が変わる。しかもその状況を、「自分が試されている」と捉えられたら、合わない人とも前向きに向き合えるようになるかもしれません。

「なんでこの人は変わらないんだろう」から、「自分がスキルアップするためのトレーニングのチャンス」へと、思考を転換する。絶対的な答えではありませんが、私はこれでわりとうまくいくようになりました。

依田:私の悩みも、吉田さんの悩みにちょっと近いかもしれません。

私は、加工課に図面を渡し、納期を管理し、お客様に発送する仕事を担当しています。納期には余裕をもたせてスケジュールを組んでいるものの、加工課のなかに納期を守ってくれない人がいて、困っています。

着手せずに図面を放置したり、報告なく平然と遅れたりと、まるで納期に無頓着に見えます。そんな人にどのような伝え方をすれば、納期を守ってもらえるのでしょうか?

―1つは、ゲーム性を持たせて明るい調子で伝えてみてください。例えば、「今回も遅れましたね。もし次、遅れなかったら、うまい棒あげます!」といった感じで、なかばネタ化しておもしろく伝えると、意外と守ってくれるかもしれません。「北風と太陽」の寓話にもあるように、怒りよりも楽しそうに伝えた方が、人は心を開いて協力してくれるものです。

それでも解決しないときは、その人と1対1で話し合う時間を持ちましょう。うまく伝わらない相手とのコミュニケーションは、簡単ではありませんが、「一緒に職場を良くしましょうよ。どうすれば納期を守れるか、一緒に考えましょう」と、向き合ってみてください。

ここでも、その状況を「自分のためのトレーニング」だと捉えると、前向きな姿勢で対話ができると思います。

依田:がんばってみます!

8人それぞれの「なりたい自分」って、どんな人?

―それでは、最後の質問です。皆さんはそれぞれ、将来どんな自分になっていきたいですか?

吉田:アホになりたいです。なんでもできるというか、ヘンテコな発想ができる人間になりたいなあ、と思います。

村田:私はむしろ、普通にすごしたい(笑)

宮下:私は、自分も周りも皆で楽しみながら、効率良く作業できるようになっていきたいです。

五味:私は、的確な判断を素早く下せるような人になりたいです。聞かれたことに対して、すぐに自信をもって答えが出せるようになりたい。

橋本:私はとりあえず、「心配されない人」になりたいです。今日も下を向いて歩いていたら、「大丈夫?」といっぱい声をかけられてしまいました(笑)。なのでまずは、心配されないことを目標にがんばります。

神木:私もまだ分からないことだらけなので、少なくとも「荻野製作所における一般常識」レベルの知識はつけたいと思います。それで、新しく入ってきた人に少しくらいは教えられるような先輩になりたいです。

依田:私はまだ、自分が聞くことのほうが圧倒的に多いので、「聞かれて答えられる側になること」が目標です。「頼られる人」になれたらいいですね。

秋山:たしかに、茂呂製作所はけっこう忙しい職場なので、状況的に質問しにくい場面が少なからずあります。「頼られる人」は多ければ多いほど、良いですよね。私も、「これ、どうしたらいい?」と気軽に聞いてもらえるような存在になりたいです。

―秋山さんは、すでにそんな存在になっているのでは?

五味・宮下:(大きく頷く)

秋山:頷いてますよ(笑)。

とはいえ実際、前職の知識でカバーしながら、なんとかこなしている状況です。自信をもって人に教えられるほどではありません。もっと知識と技術を身につけて、後輩を導いてあげられるよう、がんばります!

―聞きましたよ。言質を取ったので、これからの秋山さんの成長に多いに期待します(笑) またお話聞かせてください。頼もしい言葉でしめくくっていただき、ありがとうございます。

今回の座談会で、お互いに気付きが得られたり、元気づけられたりしたことがあれば、何よりです。本日は、ありがとうございました!

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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