マシニングセンター 整備 エンシュウ
社内の遠州マシニングセンタを修理しました。
まずは何度も問い合わせしたのに、都度、保守契約無しでも親切な対応をしていただいたメーカー様にお礼申し上げます。
(とても多くの情報いただきました)
今回のトラブルは下記のような状況でした。
1,ツールマガジンが自動モード、手動モードのいずれも動かない。
2,しかし機械が温まってくると動くこともある。
3,機械作業者より「昼12時ころになると動くようになる」とのこと。
このことから私の推測は「基板の劣化」であると考え、整備に着手しました。
対応工程
工程①
まずはメーカー様にお問い合わせすることから始めますが、メーカー様からいただける貴重な指示を確実に素早く対応するために、事前にカバー類を取り外し、ATC時に関連するマイクロスイッチが見える状態にしておきました。
工程②
メーカー様に連絡!
大まかな原理と、配線図を貰って調査開始!
メーカー様からの情報としてポイントは「マガジン回転時に電気信号が出ているか、出ていないか確認」とのこと。
そこでまず私はリレーに注目しました。
この作業により大まかな特定を可能とします。
工程③
まず信号が出ているかどうか(リレーが動いているか?)確認。
マガジンの回転信号は出ていることが確認できました。
工程④
次にロータリーアクチュエーター部のソレノイドに不具合があると仮定。
しかし信号は出ていました。
そこでもう一度、端子台より配線類をたどり不具合箇所を探す作業をしました。
以上の工程の中で特に不具合が無いことが確認できました。
工程⑤
この(円盤部分)ソレノイドが、回転信号を発しても動かない状態。
再度、テスターで測ると電圧あるので、試しに円盤部分を押してみると動きました!
状況確認
ここまでの状況を簡単にまとめると、信号関係は問題無い様子。
そして「コイルを手で触るとスムーズに動く!? 機械が温かくなると動き出す!?」という状態です。
初期の状況確認時に「機械が温まってきたお昼ごろ症状が解消される」という話から、基板などにある半田が温まると、半田の熱膨張により亀裂がくっつき症状が解消されることもあることを思い出しました。
上記までの調査から、円盤部の横にある小さな基板の半田だ剝がれかけてると推測。
続きの工程に進みます。
工程⑥
基板部をヒートガンで温めると、ツールマガジンが動き出したました!
故障部を特定しました!
半田が温まり熱膨張して亀裂が引っ付くことで動き出したのでしょう。
工程⑦
半田付けし直してひとまず動かせるようになりました。(修理完了)
自社の機械整備であることで時間を気にしくてすむことからスローな対応となりましたが、アナログな電気制御部分の修理としていい経験となりました。
このような不具合は予防するのは難しいものになります。
定期的に基板の半田付けを全てやり直すなど方法もあるかと思いますが、分解するリスク(劣化した銅線の断線、コレクター不良、基板亀裂等など)を考えると現実的ではないと思います。
会社としても少ない経営資源の中で、古くても使える機械を活用できるようになったのは何よりも嬉しいです。
今回のこの経験をお客さまへの対応に活かしていきたいと思います。
茂呂製作所では、スタッフがキャラクターとなって活躍してくれています。
今回活躍してくれたのは、メンテレンジャー ホワイトでした!