当社の若手スタッフは未来ある(地元の)工業高校への出前指導をしています。

出前先 : 甲府工業高校 専攻科
機械名 : マザックQT250MA  
依頼内容 : 学生である若者が実践的なことを学ぶ機会は非常に重要かつ貴重なことです。
学校としても全力でサポートするべく最新鋭機を導入してはいますが、学校側では使いこなせないという問題点があり、偶然同じ機械を所有していたこともあり茂呂製作所に指導のご相談をいただきました。
茂呂製作所としては技術の継承、未来ある若者への恩送りを使命としていることから快諾させていただきました。

甲府工業高校 専攻科とは

工業系高校で機械系又は電気・電子・情報系に関する科目25単位以上取得して卒業した生徒が、さらに2年間高度な知識・技能を身に付けるための課程です。
定員は1学年20名程度で、機械系コース15名程度・電子系コース5名程度です。
設備や工程の設計・生産性の検討等を担うことができる人材を育成し、即戦力として現場で中心的な役割を果たすことを期待しています。
また、各コースの横断的な授業を実施し、機械系コースは電子系の内容、電子系コースは機械系の内容の専門知識も身に着けるようにします。

甲府工業高校Webサイトより http://www.kofu-th.ed.jp/senkouka/

意欲のある若者との交流は、こちらも刺激を受ける機会となります。
今回は、この講習会の様子を報告させていただきます。

深見主任が講師となり座学をしているところ

座学 

担当は深見主任。
マザックを使って実際に加工したものを見てもらいながら機械の特徴を説明し、この機械ででできることや可能な加工を理解してもらいます。

ホワイトボードの前で説明する深見主任
ホワイトボードに書かれた説明資料

続いてプログラムの作り方。
座標の出し方やプログラムの基本の構成などを理解してもらいます。
プログラムの順番や加工の流れを理解してもらう事に苦労しました。
また、今までNC旋盤にほぼ触れた事がない生徒がほとんどのため、マザトロールのプログラムの流れを理解してもらうことに苦労しました。

機械に触れながらプログラムを説明しているところ

そして実際に簡単な加工プログラムを作ってみます。
この時に学生さんに主体となって考えてもらった上で、分からない所を指導していきます。
最初から答えを示すのではなく、少しずつヒントを与え一緒に考えを出していきます。

実際に作ってもらう部品の見本

今回は実際にこの部品を作ってみました。
学生さんと考えながらプログラム作成時間は4時間。
加工時間もノギス・マイクロメーター・シリンダーゲージを使い、学生さんに主体となってもらって測定をしながら2時間程かかりました。
ちなみに私深見がやれば プログラムの45分・加工45分程度になります。
何事も経験を積むことで効率よく進めることが可能となります。
だからこそ、若い段階から経験することは貴重なのです。

作業場内の風景

加工指導

続いて茂呂製作所が得意としているオンライン(遠隔地)対応を交えての加工指導を行ってみました。

高校の作業場から茂呂製作所本部にオンラインでつながっている様子
スクリーンを眺める学生さんと茂呂製作所スタッフ

これは学生さんにスマートグラスをかけてもらい、茂呂製作所本社の作業エリアの中を案内しているところです。

スマートグラスを使っている様子
PCのモニターを使って茂呂製作所本社の様子を見ている学生さん

本当なら茂呂製作所に来ていただき現場を見て触って体験してもらいたいのですが、それができない時節柄。
それでもオンライン(スマートグラス)を駆使すれば可能!
何事も変化と挑戦だと改めて感じました。

茂呂製作所本社からのアドバイスを受けながら機械を操作している様子
スマートグラスに映される映像をモニターに反映しているところ

茂呂製作所のスマートグラスを使ってオンラインにて映像を見ながら実際のリアルな現場作業を経験してもらいます。
その経験から使い勝手の良いシステムを考えたり、現状の問題点に気づいてもらって将来に役立ててもらいたいです。

感想など

講師をして感じていること

学生さんに指導することはとても難しく、自分が説明している事をしっかり伝える為の言葉選びが難しいです。
時間配分も3時間×5週間の計15時間と決まっているので、時間の予定を立てるのに苦労しました。
学生さんに説明がしっかりと伝わってプログラムが完成した時は、うれしさとやりがいを感じました。
学生さんが質問をしてくれたり意見・感想を発信してくれると、興味を持ってくれたことが実感できてうれしいです。

講師をする際に注意していること

言葉選びと時間配分

学生さんたちの感想

●対話式のプログラムなのでGコードとは違う事を覚えられてよかった。
●加工の開始点の考え方が難しくプログラムを作るのが大変でした。
●Gコードプログラムより対話式プログラムの方がわかりやすかった。
●スマートグラスは、離れたところでも、相手と自分の画面を見ながら作業を行えるので移動時間の短縮ができると思った。

今後について

9月まで継続して講師を行うので、まずは今よりわかりやすく有意義な講義にしようと思います。

今回の試みを通じて、対面でなくとも遠方であっても、様々な指導をさせていただけることがわかりました。
もし茂呂製作所の指導を必要とされる方が居られましたら是非一報ください。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
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