パール穴あけ機 貴金属加工 機械修理

同じ山梨県にある貴金属加工会社様から、パール穴あけ機の修理依頼をいただきました。
パール穴あけ機とは、真珠や球状物に貫通穴を開ける専用機です。

修理前の写真です。

おそらく20年以上使用されているであろう年代物でした。
メーカーはすでに存在しません。

作業中に突然動かなくなり、お客様ご自身で調査されたようですが、原因特定には至らず、同機種の修理実績のあった弊社にご連絡いただきました。

到着した機械を見てみると、電源コードの中間にあるスイッチ部分を開けてみた形跡があります。
おそらく断線を疑って調べてみたのだと思われます。

電源コードの中間地点にあるスイッチ部分が写っている写真です。ネジが中途半端に緩んでいるのが分かります。

モータ軸は問題なく手で回ったため、弊社でも断線を疑い、導通を確認しました。
電源プラグを開けたところ、断線発見です。

プラグ部分を分解した写真です。2股に分かれた銅線の片方が断線しているのが分かります。

はっきりした原因は不明ですが、電源プラグを抜く際、プラグではなくケーブルを引っ張ってしまわれたのではないかと推測します。

また、他に不具合がないか確認したところ、機械の左右2箇所(赤丸部分)に取り付けられているカーボンブラシが摩耗により擦り減っていました。

写真左側が正常(約15mm)、右側が擦り減ったもの(約5mm)です。

通常、カーボンブラシには、摩耗限界線と呼ばれる寿命を表す線が刻印されているのですが、今回のものにはありませんでした。
そのような場合、残りが約45%以下を交換の目安としています。
バネでブラシを押し付けている構造なので、このくらいになるとバネの力も弱くなり、接触不良を起こしかねません。

今回の、未使用時15mmに対し残りが約5mmというのは、接触不良になる寸前の値と判断し、このまま使い続けると一年以内にモーターが動かなくなる可能性があったため、この機会にカーボンブラシの交換もご提案しました。
当初は「とにかく早く使いたいので早く修理してほしい」とお急ぎでしたが、別の故障を未然に防げたことで、お客様からも感謝のお言葉をいただきました。

ご依頼いただいてから2日でケーブルの作成およびカーボンブラシの交換をし、無事に納品完了です。

修理後、きれいな状態の機械の写真です。

日頃の清掃に加え、留意事項を2点お伝えしました。

① 電源プラグを抜く際は、ケーブルではなく必ずプラグを引っ張ること
② 年一回を目安にカーボンブラシのチェックを行うこと


それでは、最後に担当者から一言!

ただご依頼どおりに故障箇所を直すのではなく、お客様がその後いかに安心・安全・快適に作業できるかを考え、一つひとつの機械と全力で向き合っています。

「スターというのはみんなの期待に応える存在。でもスーパースターの条件は、その期待を超えること。」 − 長嶋茂雄

お客様が困ったとき、すぐに駆けつけるスーパースターでありたいものです。

最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
ぜひ他のページも閲覧ください。