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特注ロングアーバーの設計・製作

2019/05/29 2019/05/24

今回は、マシニングセンターなどの工作機械の主軸に取り付ける特注ロングアーバーについてご紹介致します。

アーバーとは

マシニングセンターなどの工作機械の主軸に取り付ける切削工具の一種で、今回はBT50を使用します。

BTと7/24テーパーの主軸及びシャンクでJIS規格により主軸端面の基準径が決まっています。ちなみにBT50番はΦ69.85になります。

お客様より相談依頼

以前より加工治具の設計・製作を依頼されたことのあるお客様より特注アーバーの設計・製作依頼が来ました。

今回の担当者はマシニングセンターの加工経験者でもあり、加工と設計の両方の観点から製作品を考えることが出来るため、茂呂製作所に製作依頼がありました。

特注ロングアーバー設計

今回の案件で重要視されているところはまずアーバーの長さです。

必要とされる長さは650㎜と非常に長く、一般的には300㎜程度までが多く使用されるサイズになります。

今回お客様がこの特注サイズを依頼したのは、加工物に630~640㎜程度の垂直な壁があり、壁をかわしながら穴あけ・タップ・面削の加工をしたいためこの長さが必要となるからです。

また面切削や穴あけに対してのビビりや穴の曲がりを考慮した剛性も必要となるため、設計時に、製作する部分と購入する部分を明確化し購入部品は出来るだけ長く1パーツの物を探し、長さを補う形で製作部品を作り、本来の剛性を損なわないように設計することを考えました。

また、今回は穴あけ及びタップ加工とフライス加工の両方を行いたいため3本の特注アーバーを用意することになりました。

刃物取付け部分は後の汎用性や別の刃物への交換作業などを考慮して購入品とし、製作部品の点数を抑えることによりアーバーの振れの目標値を「ドリルタップ0.02」「フライス0.02」、アーバーの直角度及び同心度の「幾何公差0.005以内」に設定しました。

このことにより、納期の短縮を目指しお客様の要望に応えられるように考慮しました。

ここで問題点となるのはアーバーの強度と重量です。

工具交換時にATC(自動工具交換装置)が重量・長さから使用できないため、人力での工具交換となることから使用上問題になるかお客様と検討しながら設計を進めていきました。

使用するアーバーの先端へ装着する部品は、重量と強度を考えて「ドリルタップΦ64㎜」「フライスはアーバーと同寸法のΦ80」にて設計し、干渉問題も含め、お客様との打ち合わせで「刃先Φ80より細くして欲しい」との事でΦ76にしました。重量に関しては、使用設備の保持許容範囲である30Kg以下での設計となりました。

精度チェック

まずは、全ての部品・購入品が揃い組立、弊社のMCに取り付けて精度確認です。

刃物を取り付け、先端部での振れをチェックします。

チェック方法としては・・・

ダイヤルゲージとピックテスターを使用しダイヤルゲージでアーバー自身の直角度をZ軸動かしながら確認し、使用する刃物の刃先にピックテスターを当て手動で回転させながら振れのチェックと同時にアーバーの同心度をダブルチェックしていきました。

振れ幅0.015㎜以内に収まり、お客様との検討時の目標値0.02㎜以内を達成できました。

精度の結果をお客様に報告し、お客様より了承を得て納品となりました。

受注から納品まで20日、精度や日程もお客様の要望に応えられ非常に喜んで頂けました。

弊社ではこれからもお客様の要望に応えられるように努力していきます。