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大型マシニングセンターのクーラント清掃作業

茂呂製作所では部品加工・機械修理・メンテナンス作業など様々な業務がありますが、今回は工作機械を使用する上でほとんどの機械についているクーラントタンクの分解清掃作業をご紹介いたします。

 

クーラントとは

クーラントとは材料を工具で切削する際に出てくる切りくずの排出や材料の冷却・潤滑を目的とした潤滑油のことです。
潤滑油には2種類あり、「不水溶性」と「水溶性」に大別されます。
 
不水溶性の主成分は鉱油及び脂肪油であり、潤滑性・抗溶着性に優れた油でイメージは家庭にあるサラダ油のようないわゆる油です。
通常希釈しないで使用します。
 
それに対し水溶性は水に希釈して使用する環境にも優しい油であり、一昔前までは不水溶性が主流でしたが現在では不水溶性が主流になっています。
それぞれの特徴として、不水溶性は潤滑性に優れており、水溶性は冷却性に優れています。
切削のみを考慮すると不水溶性が適していますが、消防法によるところの危険物に該当するため、法規に基づいた措置、火災の危険に対する予防措置が必要となります。
それに対し、作業環境の清潔さ・引火の危険性の排除などの利便性から水溶性に主流が切り替わってきたと言えます。
 
水溶性にも様々な種類があり「乳白色(エマルション)」「半透明ないし透明(ソリュブル)」「透明(ソリューション)」など、材料によって使い分けたりもします。
 
今回清掃作業をするマシニングセンターでは乳白色(エマルション)タイプのクーラントを使用しています。
乳白色(エマルション)タイプは水溶性の中でもっとも潤滑性に優れており、なおかつタップ加工でも使用できる為、茂呂製作所では工作機械にはすべて乳白色を使用しています。
 
水と油を混合して使用する不水溶性クーラントは、当然水を使用していることから劣化していき、悪臭や成分変化を起こし、時にはサビの原因にもなってしまいます。
定期的なクーラント清掃は非常に大事な作業です。
作業内容などから疎かになりがちな作業の1つですが、定期的な清掃をお勧めいたします。
 
それでは作業に移っていきましょう!

 

作業開始

今回の作業は社内にある大型マシニングセンターを実際使い、作業者のスキルレベルの向上と作業内容の確認及び実践を目的として比較的に経験の浅い若手社員2名で作業開始です。

大隅豊和 MILLAC-1052V
テーブルサイズ:X-2050Y-1060Z-1000の大型マシニングセンター
 

作業工程

作業工程は下記の通り。

  1. ①  作業する工作機械の観察
  2. ②  必要な部品のバラシ(取り外し)
  3. ③  クーラントタンク及び周辺の清掃
  4. ④  取り外した部品の組み付け
  5. ⑤  クーラントの補充

大まかな流れはこのような感じになりますがクーラント清掃において非常に大事になるのが①の観察です。
工作機械とは多種多様に存在し、同じメーカーのものでも仕様が違うだけでバラす箇所が変わったりする物です。
どんな作業でも「まずは見る」このことが非常に大事になってきます。

今回は社内という事で、サポートを受けながらバラしていくと……

工作機械を使用している方はおわかりだとは思いますが、攪拌が足りず分離していて油が浮いている状態になっています。
今回作業している工作機械のタンク容量は600ℓの仕様で、タンクの奥の通常では見えない箇所などはクーラントが滞留していることが多く、分離してしまうことが多々あります。

 
写真に写っている円盤形状の部品はオイルスキマーという部品です。
オイルスキマーとは、円盤部分がゆっくり回転して、水よりも比重の軽い油(水1:油0.8)が表面に付着し、水は下へ油は上に分離して油だけを取り除く機械です。
様々な形があり、ベルト形状の物やフロート状の物などがあります。

 
また工作機械で切削を行うと大量の切りくず(切粉)が出てきます。
高速回転する工具で切削を行うと予想外な所まで飛散してしまいます。

普段見えない場所にもこんなに飛散しています。

 

清掃に邪魔な切りくずを取り除き、分解とタンク内清掃へと進めます。
まず、タンクに残っているクーラントをブローバックで吸引していきます。
ブローバックとは簡単に説明すると、掃除機です。

家庭用掃除機との大きな違いはモーターを使わず、圧縮空気を利用し吸い上げる仕組みの産業用バキュームクリーナーです。

大まかに吸い込んだら……

後は人力で細かい隅まで吸い上げます。

 


取り外した部品ももちろん綺麗に!

今回は2名で作業していますが、2名で同じ作業をするのではなく分散して作業することで作業効率を上げて進めていきます。

お互いが役割分担をして作業しています。

 

最終工程

いよいよ最終工程に移ります。
バラした部品を元通りに組み上げて最後のふき取り作業を行います。

組み付け、ふき取り後①

組み付け、ふき取り後②

見えない場所まで飛散していた切りくずもしっかり除去できました。

最後にクーラントを補充して完成です。


作業前

作業後

見ていただければ一目瞭然!これだけの差が出ます。

今回の清掃作業を通じて

  1. ① 若手社員のスキルレベルのUP
  2. ② 実践時での作業への対応力
  3. ③ 少人数でもやればできるという自信

というメンテナンス力がついたと思います。

 

茂呂製作所の約束

茂呂製作所では様々なメンテナンス業務が舞い込んできますが「若手社員の育成」「現場対応力」、そして何よりお客様の求めるニーズに応える為に日々の努力を怠らず、オンリーワンメーカーを目指していきます。